玉白茸と雪姫茸

2015年11月12日
福成優

秋ですね。


しいたけ、しめじ、えのき、まいたけ、エリンギ...
鍋に汁物に大活躍。
そんなきのこの季節。
ところでみなさんは玉白茸と雪姫茸というきのこを知っていますか?



ことの始まりは一通のメールから。

きのこマイスターの福ちゃんに食べ比べて欲しいキノコあるんだけど、受けて立ってくれるかい?

いつきのこマイスターになったのか。
とはいえそんなありがたい申し出を断る手はありません。
喜び勇んで返信です。

食ったら笑い死ぬとかでなければ、喜んで!

届いたのは、玉白茸と雪姫茸。
一つが手のひらサイズはあろうかという大型きのこ。
IMG_6552.JPG
玉白茸・雪姫茸3.JPG

玉白茸は信州生まれの極旨エリンギ。
玉白茸・雪姫茸2.JPG

雪姫茸は信州の自然が育んだ山のアワビ。
玉白茸・雪姫茸4.JPG

期待が高まります!
さて、食べ方をどうしよう。
玉白茸・雪姫茸5.JPG
せっかくだから、この大きさを生かした食べ方がしたい。
ということで、まるごとフライにしてみました。
玉白茸・雪姫茸7.JPG
激デカサイズ。
それを、食べやすくスライス。
玉白茸・雪姫茸8.JPG
そのまま味見。


...うまっ!?旨!美味!!
肉厚でジューシー、食べ応え十分なカツなんだけど、きのこ!!
これは美味しい!

お次は雪姫茸。
裏側のひだが綺麗。
玉白茸・雪姫茸6.JPG
そのひだを生か...さず、おなじくフライに!
玉白茸・雪姫茸9.JPG
これも美味しい!

玉白茸と雪姫茸、かなり近い質感。
玉白茸のほうが旨味が強く、香りがおだやか。
雪姫茸のほうは香り高く、歯ごたえもしっかり。

このきのこを送ってくれたのは、
長野県飯田市にある臼井農園の代表取締役、アキラーニャ(通称ラーニャ)さん。
知り合ったきっかけは音楽関係なんだけど、
今やきのこ界のプリンスとなったラーニャさん。
たいへんおいしゅうございました。ごちそうさまです!

きのこ界のプリンスに、このきのこについて質問したところ、
専門的なきのこ情報を教えてくれました。

『玉白茸と雪姫茸はどんなきのこなの?』

「雪姫茸はバイリングっていう種類。
玉白茸はエリンギとバイリングの掛け合わせなので、歯応えはエリンギとバイリングの中間になるはずだけど、
今のバイリングは品種がちょっとイマイチで、ザクザクしていてエリンギに近い。
昔のバイリングはもっと美味かったよ。」

『雪姫茸と白霊茸、雪嶺茸、バイリングは同品種?』

「基本的に中国原産の種で、中国では白霊茸と書いて読みはバイリングー。
雪姫茸は長野県飯田市、雪領茸は福岡県大木町で商標として使ってる名前。
白霊茸は長野県中野市がそのままの名前で売ってるね。
日本ではその3つが有名。
あと、マイナーだけどヨーロッパ原産の種を作って売ってる会社があって、商標名はホワイトクイーン。
これは店頭では買えないので一般消費者ではお目にかかれないね。」

『エリンギとバイリングの合いの子だったとは!』

「エリンギとバイリングの交配種は日本に2つだけ存在して、
東北で作って業務用でしか買えない白神アワビ茸と、ウチの方で極少量作ってる玉白茸だけ。
バイリングはだいたいどれも似たような見た目だけど、白神アワビ茸と玉白茸は全く別の見た目で面白い。
白神アワビ茸は俺も食った事ないので
味は不明だけどね。ネットでお土産として買う事は出来ると思うよ。」

さすがきのこ界のプリンス。
詳細な情報を惜しげもなく伝えてくれました。


玉白茸・雪姫茸10.JPG
せっかくなので、エリンギもフライに。
エリンギパパと、バイリングママ。
その子どもの玉白茸。


「食べ比べてほしい」
とのことだったので、僕は雪姫茸のほうが好きだったことをお伝えしました。
きのこ界のプリンスは玉白茸が好きだそうです。

みなさまも、お見かけの際はぜひ!